ホテル業界の“24時間シフト勤務”を適正に管理する方法
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2026.04.26
フロントデスクの明かりが消えることはありません。24時間365日、お客様を迎え入れるホテル業界にとって、ホテルでの24時間シフトを適正に管理することは、経営者や人事担当者の皆様が最も頭を悩ませる課題の一つではないでしょうか。常に誰かが現場にいなければならないという特殊な環境下で、いかにスタッフの健康を守り、法令を遵守した体制を築くかは、企業の存続に関わる重要なテーマです。
1.複雑なシフト管理が生む現場の疲弊
深夜から早朝にかけての勤務、不規則な休憩時間。ギリギリの人数で回している現場では、誰か一人が急に体調を崩すだけで、作成したシフトが崩壊しかねません。管理側としては労働基準法を遵守したい一心でも、現場からは、休憩が十分に取れない、あるいは残業が減らないといった悲痛な声が上がることがあります。
このような状況が続くと、現場の士気は下がり、ベテランスタッフの離職や慢性的な採用難という悪循環に陥ってしまうケースが少なくありません。経営者としても、スタッフの頑張りに感謝しつつも、過重労働によるトラブルが起きないか、常に不安を抱えていらっしゃることとお察しします。
2.24時間体制を支える労働時間の考え方
まず検討したいのが、1ヶ月単位の変形労働時間制(1ヶ月以内の期間を平均して1週間あたりの労働時間を40時間以内に収める仕組み)の適切な運用です。この制度を活用することで、宿泊客が多い日と少ない日の勤務時間にメリハリをつけ、業務量に合わせた柔軟なシフト作成が可能になります。
また、深夜勤務が続く場合には、勤務間インターバル(終業から次の始業までの間に一定の休息時間を設けること)を意識したスケジュール管理が、スタッフの心身の健康を守る鍵となります。制度として休息時間を保証することで、スタッフはしっかりとリフレッシュでき、結果として接客の質も安定します。
3.休憩時間と宿直の切り分け
特に注意が必要なのが休憩時間の扱いです。電話応対や急なチェックインに備えて待機している時間は、たとえ客が来なくても、法律上は労働時間(手待時間)とみなされることが一般的です。完全に業務から離れられる時間を物理的にいかに確保するかが、管理適正化の大きなポイントです。
また、仮眠を伴う宿直業務がある場合は、それが通常の労働の延長なのか、それとも労働密度が低いとして行政から監視・断続的労働従事者の許可を得られるものなのかを整理することも重要です。この区分を明確にすることで、深夜割増賃金の計算や労働時間の把握がスムーズになります。
4.専門家が教える持続可能なホテル運営
私たち社労士の視点からお伝えしたいのは、管理を適正化することは単なるコスト増ではなく、将来への投資であるということです。法令に沿った勤務体系を整えることで、予期せぬ未払い残業代請求などのリスクを回避できるだけでなく、従業員のエンゲージメント(会社への貢献意欲)が向上します。
最近では、スマートフォンのGPS機能やICカードを活用したデジタルな勤怠管理システムを導入し、リアルタイムで労働時間を可視化する企業が増えています。24時間稼働しているからこそ、アナログな管理から脱却し、客観的なデータに基づいた人員配置を行うことが、これからのホテル経営には欠かせません。
(まとめ)
ホテルの温かな灯りを守り続けるためには、そこで働く人々の働く環境を整えることが先決です。24時間シフトという特殊な環境だからこそ、属人的な頑張りに頼るのではなく、仕組みで解決できる部分は多いものです。一度自社の現状を整理し、スタッフも経営者も安心して働ける管理体制を目指しましょう。
ホテル業界の労務管理や変形労働時間制の導入について詳しくは当法人のホテル・宿泊業向け労務サポートページをご覧ください。
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