病院・クリニックが外国人を雇うために使える在留資格、特定技能以外の選択肢7つ
病院・クリニック
外国人雇用
2026.05.02
手不足が深刻化する医療業界において、外国人雇用の検討はもはや避けて通れない課題となっています。特に病院やクリニックの経営者、人事担当者の皆様からは、特定技能制度についての問い合わせが増えています。
ここで一点整理しておきたいのは、特定技能制度には「医療」という分野は存在しないという点です。
看護師や看護助手の業務に直接対応する分野はなく、病院で特定技能を活用する場合は、特定技能「介護」分野の在留資格を持つ方を看護助手・看護補助者として雇用する形が現状の選択肢となります。
一方で、特定技能以外にも、医療機関で外国籍のスタッフが活躍できる在留資格は存在します。
制度が複雑で難しそう、というイメージから一歩踏み出せずにいる方も多いかもしれません。ですが、自院のニーズに合った適切な在留資格を知ることで、採用の幅は広がります。
今回は、医療現場での外国人雇用を成功させるために、特定技能以外の7つの選択肢を分かりやすく解説します。
1.病院で活躍する外国人のための在留資格とは
外国人雇用を検討する際、まず理解しておきたいのが在留資格の種類です。在留資格とは、外国人が日本に滞在して活動するために必要な資格のことで、その範囲によって従事できる業務が厳格に決まっています。病院やクリニックで活用される代表的なものとして、高度な専門職から、身分に基づいたものまで多岐にわたります。
特定技能(介護分野)は即戦力として期待される一方、受け入れのための事務手続きや支援体制の構築に一定のコストがかかる側面もあります。一方で、これから紹介する7つの選択肢は、職種や背景によっては特定技能よりもスムーズに導入できるケースが少なくありません。
2.特定技能以外で検討したい7つの選択肢
- 医療
日本の国家資格を持つ方が取得できる就労系の在留資格です。対象となるのは、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士、義肢装具士の14資格に限定されています。本国の資格のみでは取得できず、必ず日本の資格を取得する必要がある点が大きな特徴です。
大学病院や診療所での診療業務に直結する資格であり、専門職としての雇用においては最も基本的な選択肢となります。注意点として、准看護師として就労する場合には、免許取得後4年以内という期間制限が設けられています。また、薬剤師や歯科衛生士、診療放射線技師、各種療法士、臨床工学技士、義肢装具士は、医療機関または薬局からの招へいが要件となります。 - 技術・人文知識・国際業務
通称、技人国(ぎじんこく)と呼ばれるこの資格は、病院内での通訳や翻訳、海外患者向けの広報、事務作業などで活用されます。医療事務そのものは単純作業とみなされると許可が下りにくいですが、語学力を活かしたフロント業務やマーケティング業務であれば十分に可能性があります。 - 特定活動(EPA:経済連携協定)
経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国から看護師および介護福祉士の候補者を受け入れる制度です。受入対象国はこの3か国に限定されており、他国からの受け入れはありません。
EPAは二国間協定に基づく公的な枠組みで特例的に行うものであり、日本国内では公益社団法人国際厚生事業団(JICWELS)が唯一の受入調整機関として位置づけられています。一般の人材紹介会社や派遣会社を通じたあっせんはできず、受け入れにあたってはJICWELSを通じた手続きが必須となる点が、他の在留資格と大きく異なります。(2026年5月1日時点の情報) - 永住者
この資格を持つ方は、就労制限が一切ありません。つまり、日本人の従業員と同じように、どのような職種でも雇用が可能です。看護助手や受付、清掃など、国家資格を必要としない業務であっても自由に配置できるため、採用市場で見つけた場合は非常に貴重な人材となります。 - 日本人の配偶者等
日本人と結婚している外国人配偶者のほか、日本人の実子や特別養子も該当します。永住者と同様に就労制限がないため、シフトの柔軟性や職種の制限を気にせず雇用できるという大きなメリットがあります。地域に根ざしたクリニックなどで活躍しているケースが多く見られます。 - 定住者
日系人の方や、法務大臣が個別に告示で認めた方などが該当します。こちらも就労制限はありません。長く日本で暮らしている方も多く、地域の医療現場を支える貴重な戦力になります。 - 家族滞在(資格外活動許可)
日本で就労資格や留学資格などを持って在留する外国人の、配偶者や子が取得する資格です。本来は就労できませんが、資格外活動許可を得ることで週28時間以内であればアルバイトとして働くことができます。夕方の忙しい時間帯や土日の補助スタッフとして、クリニックでの需要が高まっています。
なお、上記7つに加えて「永住者の配偶者等」も就労制限のない身分系資格に該当します。採用候補者の在留カードを確認する際には、こちらも併せて押さえておきましょう。
社労士が教える外国人雇用の注意点
外国人雇用を成功させるために最も重要なのは、本人が持っている在留資格と、実際に任せる業務内容が一致しているかどうかを確認することです。もし資格外の活動をさせてしまうと、不法就労助長罪に問われるリスクが生じるため、慎重な判断が求められます。
また、社会保険の手続きや雇用契約書の作成についても、日本人スタッフとは異なる配慮が必要な場合があります。例えば、母国語での説明資料を用意したり、給与体系を分かりやすく明文化したりすることで、入社後のトラブルを防ぎ、定着率を高めることにつながります。
(まとめ)
病院やクリニックで外国人を雇用する道は、特定技能(介護分野)だけではありません。医療の専門資格を持つ方から、通訳業務を担う方、あるいは身分系資格によって自由に働ける方まで、多様な選択肢があります。
まずは貴院がどのような業務を任せたいのかを整理し、それに合致する在留資格を検討することから始めてみてはいかがでしょうか。適切な制度活用は、深刻な人手不足を解消し、より良い医療サービスを提供するための強力な武器になるはずです。
外国人雇用の詳細や具体的な手続きについて、詳しくは当法人の外国人雇用サポートページをご覧ください。
まずは貴院の状況をお聞かせください。
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