うつで休職したエンジニアの復職、9割が失敗する原因とは
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2026.05.11
休職していた優秀なエンジニアがいよいよ職場に戻ってくる。チーム全員が温かく迎え入れ、本人も復帰への意欲を口にしている。しかし、それからわずか数ヶ月後、再び欠勤が始まり、最終的には退職を選んでしまう。経営者や人事担当者の皆様にとって、これほど心が痛む展開はないはずです。実は、うつなどのメンタルヘルス不調で休職したエンジニアの復職において、スムーズに定着できないケースには共通の原因が潜んでいます。なぜ専門性の高い職種ほど、復職のハードルが高くなってしまうのでしょうか。
1.復職を阻むエンジニア特有の壁と心理
エンジニアという職種は、常に最新の技術を追い続けなければならないという特有のプレッシャーにさらされています。休職期間中に自分のスキルが時代遅れになっていないか、周囲のペースについていけるだろうかという不安は、想像以上に本人の負担となります。また、エンジニアの方は論理的な思考を重んじる傾向があるため、自分の不調を論理的に整理しようとして、かえって自己嫌悪に陥ってしまうケースも少なくありません。
さらに、業務の特性も影響します。エンジニアの仕事は、一度集中すると数時間にわたり深い思考を要するディープワークが中心です。リハビリ出社を開始した直後に、いきなり休職前と同じような高度なデバッグ作業や納期直前のプロジェクトに投入されると、回復途上の脳はすぐに疲弊してしまいます。周囲が良かれと思って用意した配慮が、本人にとっては「戦力外通告」のように感じられてしまい、焦りから無理をして再発を招くという悪循環も、失敗の大きな要因と考えられます。
2.段階的な負荷調整とコミュニケーションの設計
復職を成功させるための解決策として重要なのは、業務内容ではなく、まずは生活リズムと集中力のスタミナを戻すことに主眼を置くことです。具体的には、最初の数週間はプログラミングなどの実務から離れ、ドキュメントの整理や軽微な事務作業から開始するような、緩やかなステップアップが推奨されます。このとき、いつから本来の業務に戻れるのかというロードマップを事前に共有しておくことで、本人の焦りを軽減することが可能です。
また、周囲のサポート体制も欠かせません。休職前と同じ上司が担当する場合、どうしても過去のパフォーマンスを期待してしまいがちですが、復職直後は別人のようにエネルギーが低下していることを理解しておく必要があります。定期的な面談を実施し、本人が「困っている」と言い出しやすい雰囲気を作る工夫も求められます。
3.専門家である社労士の視点
私たち社会保険労務士の視点からお伝えしたいのは、復職支援は属人的な対応に頼るのではなく、社内ルールとして仕組み化しておくことが重要だということです。例えば、産業医による復職判定の基準を明確にし、本人の主観だけでなく客観的なデータに基づいた判断を行う仕組みを整えます。また、就業規則にリハビリ出勤制度などの規定を設けておくことで、会社側も安心して段階的なサポートを提供できるようになります。
エンジニアは会社にとって極めて貴重な経営資源です。一時の不調でその才能を失ってしまうことは、企業にとっても大きな損失です。個人の資質の問題として片付けるのではなく、組織として「戻りやすい環境」をデザインすることが、結果として定着率の向上と組織全体のメンタルヘルス対策につながると考えられます。
(まとめ)
エンジニアの復職を成功させる鍵は、本人の焦りに寄り添いつつ、業務負荷を戦略的にコントロールすることにあります。まずは、現状の復職支援フローが本人の負担になっていないかを見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。適切なステップを踏むことで、再び第一線で活躍できる可能性は十分に高まります。
復職支援やメンタルヘルス対策の体制整備について詳しくは、当法人のITのコンサルティングサービスをご覧ください。
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