IT企業必見!フレックスタイム制と休日の正しい扱い方
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2026.07.24
フレックスタイム制を導入したものの、休日の扱いや割増賃金の計算で悩んでいませんか。自由な働き方を推奨するIT業界やスタートアップ企業において、フレックスタイム制と休日の関係は非常に複雑ですよね。
制度を誤って運用すると、思わぬ労務トラブルが発生する恐れがあります。この記事では、実務に直結するフレックスタイム制と休日の基本ルールや運用のポイントを丁寧に解説します。

なぜ今フレックスタイム制と休日の管理が重要なのか
IT企業やスタートアップ企業を中心に、フレックスタイム制を導入する会社が増えています。社員が自分のペースで仕事を進められるため、採用上の大きな強みになります。しかし、フレックスタイム制と休日の運用を正しく理解していないと、現場で混乱が起こります。
柔軟な働き方がもたらす休日設定の曖昧さ
フレックスタイム制は、始業や終業の時間を社員が自由に決められる制度です。そのため、働く時間帯についての自由度は高くなります。一方で、出勤する日や休む日の区別が曖昧になりやすい側面もあります。
社員が「締め切りに間に合わせるため」と判断し、休日に自発的に働いてしまう事例もあります。会社側が休日の労働を把握していないと、サービス残業の発生につながります。結果として、労働環境の悪化や法的リスクを招くことになります。
休日労働と時間外労働が混同しやすい理由
通常の労働時間制度では、1日8時間または週40時間を超えた場合に時間外労働となります。しかし、フレックスタイム制では清算期間における総労働時間で判定を行います。この仕組みの違いが、現場での混乱を生む原因です。
休日に働いた時間について、総労働時間に含めて計算するのか、別で割増賃金を支払うのかを正しく理解する必要があります。厚生労働省のガイドラインでも、適切な時間管理と正しい賃金計算の徹底が強く求められています。管理基準を明確に定めることが、会社を守ることにつながります。
詳しくはこちらの記事もご参照ください。
フレックスタイム制における休日の注意点と実務上の落とし穴
フレックスタイム制と休日を運用する際には、いくつかの重要な注意点があります。特に法定休日と所定休日の扱いを分けて考える姿勢が欠かせません。

法定休日と所定休日の違いを見落とすリスク
労働基準法では、週に1回または4週間を通じて4日以上の休日を与えることが義務付けられています。これを法定休日と呼びます。一方、会社が独自に定める土曜日や祝日などは所定休日と呼ばれます。
フレックスタイム制を適用している場合であっても、法定休日の規定はそのまま適用されます。法定休日に労働させた場合は、清算期間の総労働時間の枠外として扱い、35パーセント以上の割増賃金を支払わなければなりません。
- 法定休日:法律で義務付けられた休日(週1日または4休)。労働時は35パーセント以上の割増賃金が発生。
- 所定休日:会社が定めた休日。労働時は清算期間の総労働時間に含まれることが基本。
所定休日に働いた時間については、清算期間における枠内の時間として計算するケースが一般的です。ただし、清算期間の総労働時間の上限を超えた場合は、時間外労働として25パーセント以上の割増賃金が必要となります。この違いを混同しないように注意しましょう。
清算期間内の総労働時間と休日労働の重複
清算期間が1か月を超える場合、さらに慎重な労務管理が必要になります。清算期間全体の総労働枠と、各週の平均労働時間を計算して確認しなければなりません。
| 休日の種類 | 労働時の扱い | 割増賃金率 | 総労働時間への参入 |
| 法定休日 | 法定休日労働 | 35パーセント以上 | 含めない(別枠で計算) |
| 所定休日 | 時間外労働(枠超え時) | 25パーセント以上 | 含めて清算期間で計算 |
上の表のように、休日の種類によって計算方法が大きく異なります。実務では、勤怠管理システムの設定を誤り、集計漏れが生じるリスクがあります。計算の手順を社内で統一しておくことが大切です。
休日振振替と代休の運用および解決策
フレックスタイム制において休日出勤が必要になった場合、休日振替や代休を導入することがあります。この2つの仕組みは実務上の扱いが大きく異なるため、正しく理解しておく必要があります。
休日振替を行った場合の総労働時間の計算手順
休日振替とは、あらかじめ特定の日を休日に変更し、本来の休日に労働させる手続きです。事前に対象の日を特定して入れ替えるため、振替先の日は通常の労働日となります。
- 事前に振替日を指定して社員へ通知する
- 同一の清算期間内で休日を振り替える
- 振替後の労働時間を含めて清算期間の総労働時間を集計する
清算期間を超えて休日を振り替える場合は注意が必要です。月をまたいで振替を行うと、その月の総労働時間が規定の枠を超えてしまい、時間外労働が発生する可能性があります。可能な限り同一の清算期間内で振替を完結させることが望ましいです。
就業規則と労使協定の明確化
フレックスタイム制と休日に関するトラブルを防ぐためには、規定の整備が不可欠です。就業規則や労使協定に、運用のルールを具体的に明記しておかなければなりません。
- コアタイムおよびフレキシブルタイムの設定
- 清算期間と総労働時間の計算方法
- 休日出勤を行う際の事前申請手続き
- 休日振替および代休の適用条件
事前申請なしでの休日出勤を禁止するルールを作ることも効果的です。社員が勝手に休日に働いてしまう状況を防ぐため、申請と承認のプロセスを明確にしておきましょう。制度の透明性を高めることで、社員も安心して働くことができます。
詳しくはこちらの記事もご参照ください。
社労士の視点:IT・スタートアップ企業が押さえるべき労務管理
IT業界やスタートアップ企業では、急な仕様変更やトラブル対応により、休日に業務を行わなければならない場面が少なくありません。しかし、個人の裁量に任せきりにした運用は、将来的な労務リスクを膨らませます。
専門家の視点からお伝えすると、重要なのは「労働時間の可視化」と「事前予測」です。フレックスタイム制は働く時間を社員に委ねる制度ですが、会社が管理責任を免除されるわけではありません。勤怠管理ツールを活用し、リアルタイムで労働時間や休日出勤の状況を把握する仕組みを構築してください。
また、スタートアップ企業では就業規則が整備されないまま事業が拡大するケースが見受けられます。事業が成長した段階で過去の休日労働に対する未払い賃金が発生すると、経営に大きな打撃を与えます。早い段階でフレックスタイム制と休日の運用ルールを確立しておくことが、企業の持続的な成長を支える基礎となります。
よくある質問(FAQ)
Q1. フレックスタイム制で法定休日に働いた場合、清算期間の総労働時間に含めますか?
結論から申し上げますと、法定休日に働いた時間は清算期間の総労働時間には含めません。法定休日労働は清算期間の枠外として独立して計算し、35パーセント以上の割増賃金を支払う必要があります。総労働時間に含めてしまうと二重計算や誤った賃金計算の原因となりますので、別枠で集計を行ってください。
Q2. フレックスタイム制の従業員が休日に自主的に業務を行った場合、休日労働になりますか?
会社が指揮命令を行い、あるいは黙認していたと判断される場合は休日労働に該当します。社員が自主的に行ったと主張する場合であっても、業務上の必要性があったと認められれば労働時間とみなされるリスクが高いです。トラブルを防ぐため、休日に業務を行う際は事前に上司の承認を必須とする運用ルールを徹底してください。
Q3. フレックスタイム制において、土日祝日をすべて休日に設定しなければなりませんか?
必ずしも土日祝日を休日に設定する必要はありません。就業規則で定めれば、曜日にかかわらず任意の曜日や日を休日に指定することができます。ただし、週1日または4週間で4日以上の法定休日を必ず確保する規程にしなければなりません。自社の業務スタイルに合わせて柔軟に休日を設定することが可能です。
まとめ
フレックスタイム制と休日の正しい管理は、適正な労務環境を作り出すために欠かせない取り組みです。法定休日に働いた時間と所定休日に働いた時間では、賃金の計算方法が大きく異なります。就業規則や労使協定のルールを整備し、事前申請の仕組みを運用することで、未払い残業代などのリスクを防ぐことができます。適切な時間管理を行い、社員が安心して力を発揮できる環境を整えていきましょう。
フレックスタイム制の導入や休日に関する労務管理の見直しについて詳しくは、当法人のIT企業向け労務コンサルティングサービスをご覧ください。制度設計や就業規則の改訂など、貴社の課題に合わせた最適な解決策をご提案いたします。まずは無料相談で貴社の状況をお聞かせください。東京都を中心としたIT・スタートアップ企業の労務管理に深い専門性を持ってサポートいたします。
