「KING OF TIMEを導入したけど、設定がわからない」を解消する!
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KING OF TIME
労働時間コンサルティング
2026.09.09
まず触るべきは”雇用区分設定”です
勤怠管理システムを導入したものの、初期設定でつまずいたまま運用が止まってしまう。これは珍しい話ではありません。特に KING OF TIME はできることが多いぶん設定項目も多く、どこから手をつけるべきか迷いやすいシステムです。
今回は、導入後の最初の関門である 雇用区分設定 に絞って、押さえるべきポイントを整理します。
設定には”正しい順番”がある
KING OF TIME の初期設定は、次の順番で進めるのが基本です。
- 会社情報
- 雇用区分
- 所属(組織)
- 従業員登録
- スケジュール(勤務パターン)
- 打刻方法
このうち 2番の雇用区分がすべての土台 になります。1日の所定労働時間、休憩の扱い、残業の計算方法、有給休暇の付与ルール。これらはすべて雇用区分にぶら下がっています。
ここを曖昧なまま従業員を登録して運用を始めてしまうと、最初の締め日に集計が合わず、全員分をやり直すことになります。導入支援の現場で最もよく見る失敗パターンがこれです。
設定画面の場所は共通で、以下から入ります。
設定 > 従業員 > 雇用区分設定 > 対象区分の[編集]
「正社員」「パート」「アルバイト」など、労働条件が異なるグループごとに区分を作っていきます。
つまずきポイント① 休憩
雇用区分設定の「休憩関連」カテゴリには、休憩時間1〜3という項目があります。これは 1日の労働時間が一定時間を超えたときに、自動的に休憩を差し引く 機能です。
便利そうに見えるのですが、注意が必要です。この設定では休憩の「時間帯」を指定できません。労働時間の長さだけを見て機械的に控除する仕組みだからです。
実は KING OF TIME の公式ヘルプ自身が、この自動休憩は空欄のままにして、スケジュールのパターン設定側で休憩時間を設定することを推奨しています。理由は、就業規則で「12時から13時まで」と休憩の開始・終了時刻を定めている会社が大多数だからです。
さらに厄介なのが、KING OF TIME には休憩の設定箇所が3種類あることです。
- 打刻による休憩
- スケジュール(パターン)に設定した休憩
- 雇用区分に設定した自動休憩
この3つは併用できてしまいます。併用すると、どこから優先的に控除されるかという優先順位の問題が発生し、「なぜかこの日だけ休憩が90分ついている」といった不可解な集計につながります。
原則として、休憩はスケジュール側に一本化する。 これだけ覚えておけば、休憩まわりのトラブルは大幅に減ります。
つまずきポイント② 残業
残業の計算を決めているのは、「日の時間外集計」カテゴリの 残業開始時間 です。1日の労働時間がここで設定した時間を超えると、残業時間または深夜残業時間に計上されます。
法定労働時間を超えた分だけを残業として扱うなら、ここは8時間です。
所定労働時間が7時間30分といったケースで、法定内残業(所定は超えるが8時間には満たない時間)を分けて把握したい場合は、「早出の際の残業起算時刻」の設定が関係してきます。出勤打刻時刻を起算とするか、出勤予定時刻を起算とするかで、所定外時間の計上のされ方が変わります。
残業申請を必須にするかどうかは別項目
意外と見落とされがちなのが、残業申請の要否がここでは決まらないという点です。これを制御するのは「スケジュール」カテゴリにある次の2項目です。
- 出勤予定前の労働時間の取り扱い[早出]
- 退勤予定後の労働時間の取り扱い[残業]
申請なしでも打刻どおり残業を計上したいなら「勤怠時間として扱う」を選びます。逆に、事前申請・承認された時間だけを残業として認めたい運用にするなら、別の設定を選ぶことになります。
働き方改革以降、時間外労働の上限規制への対応として「申請を必須にする」運用を採る企業が増えています。自社がどちらの運用なのかを決めてから設定してください。
つまずきポイント③ 有給休暇
有休の設定は「休暇関連」カテゴリの 有休付与 > [有休付与関連設定] にあります。
基本的な考え方はシンプルで、週の契約労働日数に応じた比例付与のテーブルから付与日数が決まり、出勤率が8割を超えていることが付与の条件になります。出勤率が満たされない場合、付与日数は0日と算出されます。
社労士として一番強調したいのはここ
同じ画面にある 「付与算出基準となる勤務日数・全労働日数として数える日」 という設定です。
出勤率は次の式で計算されます。
出勤率 = 勤務日数 ÷ 全労働日数 × 100
つまり、産前産後休業、育児介護休業、業務上の傷病による休業、そして年次有給休暇を取得した日などを、分子・分母のどちらにカウントするかで出勤率が変わります。労働基準法では、これらの期間は出勤したものとみなして計算する取扱いが定められています。
ここを初期値のまま放置すると、法令と異なる出勤率で有休の付与判定がされてしまいます。 付与日数が足りなければ当然問題になりますし、システムが自動でやってくれているという安心感があるぶん、誤りに気づきにくいのも怖いところです。導入時に必ず確認してください。
付与は全自動ではありません
もう一点。設定をしても有休が勝手に付与されるわけではありません。付与対象者の一覧画面で対象者にチェックを入れ、[有休付与]から適用する操作が必要です。付与日が到来するまでは付与操作もできません。
「設定したのに有休が増えていない」という問い合わせの多くは、この操作漏れです。
最大の落とし穴:設定変更は過去に遡らない
最後に、これを知らないと確実にハマるという仕様をお伝えします。
雇用区分の設定を変更して保存しても、それだけでは過去の勤務データに反映されません。
過去の集計値にも反映させたい場合は、必ず「勤怠データ再計算」を実行する必要があります。
テスト運用中に設定をあれこれ調整していると、「設定を直したのに数字が変わらない。設定が間違っているのか?」と混乱しがちです。多くの場合、設定は正しく、再計算をしていないだけです。設定を変えたら再計算。セットで覚えてください。
まとめ
KING OF TIME の設定でつまずいたときは、次の3点を確認してみてください。
- 休憩はスケジュール側に一本化する。 雇用区分の自動休憩との併用が混乱のもと
- 残業開始時間と、残業申請の要否は別の設定項目。 自社の運用を決めてから触る
- 有休は出勤率の計算基準を必ず見直す。 初期値のままだと法令とずれる可能性がある
そして、設定を変えたら勤怠データの再計算を忘れずに。
勤怠システムの設定は、単なるシステム操作ではありません。就業規則で定めた労働条件を、そのままシステムの言葉に翻訳する作業です。裏を返せば、設定に迷うということは、就業規則側の定めが曖昧になっているサインでもあります。
設定でお困りの際は、就業規則と実際の運用を突き合わせるところからご相談ください。
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