特定技能外国人の社会保険、加入義務はあるの?手続きの流れも解説
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2026.11.08
特定技能の方を初めて受け入れるとき、特定技能外国人の社会保険をどう扱えばよいか、よくわからないとの相談を受けます。
「日本人と同じでよいのか」「本人が加入を望まない場合は」と、担当者の方が不安に思うますよね!?
社会保険の扱いを誤ると、本人の生活だけでなく、受入れ機関としての基準にも影響するおそれがあります。
この記事では、加入義務の考え方と、入社から退職までの手続きの流れを、人事担当者の目線で整理します。
なぜ今、特定技能外国人の社会保険が重視されるのか
結論から言うと、特定技能外国人の社会保険は、日本人と同じルールで加入するのが原則です。
そのうえで、特定技能の制度では、受入れ機関が保険料をきちんと納めているかも確認されます。
国籍に関係なく、日本人と同じルールが適用される
労働基準法や社会保険の法令は、国籍にかかわらず外国人にも適用されます。
厚生年金保険は、法人の事業所などに常時使用される70歳未満の方であれば、国籍を問わず被保険者となります。
特定技能の雇用契約は、原則としてフルタイムの直接雇用です。
そのため、法人で雇用する場合は、健康保険と厚生年金保険に加入するのが基本と考えてよいでしょう。
| 保険の種類 | 主な加入の考え方 | 届出先 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 | 適用事業所に常時使用される方 | 年金事務所など |
| 雇用保険 | 週20時間以上かつ31日以上の雇用見込み | ハローワーク |
| 労災保険 | 原則として、雇用されて働く方すべて | 労働基準監督署 |
雇用保険の要件や届出は、厚生労働省の『外国人を雇用する事業主の皆さまへ~外国人労働者の雇用保険手続きをお忘れなく!~』をご確認ください。
受入れ機関の基準として、保険料の納付状況が確認される
特定技能では、受入れ機関が守るべき基準や届出の義務が定められています。
年1回の定期届出では、労働保険料や社会保険料の納付に関する資料の提出が求められます。
つまり、社会保険の手続きは、受入れを続けるための前提とも言えます。
基準や義務の全体像は、出入国在留管理庁の『雇用における注意点』で確認できます。

特定技能外国人の社会保険で起きやすい落とし穴
手続き自体は日本人と同じでも、外国人ならではのつまずきがあります。
よくある状況をもとにしたモデルケースで見てみましょう。
「本人が希望しない」を理由に加入させない
モデルケースとして、本人から「手取りを減らしたくない」と相談される場面があります。
しかし、加入要件を満たす方の社会保険は、本人の希望で外せるものではありません。
加入させないままにすると、さかのぼって保険料の納付を求められるおそれがあります。
本人には、医療費の負担や将来の年金など、加入することで得られる保障を伝えることが大切です。
同じように、「試用期間が終わってから加入させる」という扱いも見られます。
試用期間中であっても、加入要件を満たしていれば入社日から加入するのが原則です。
名前の表記や扶養の扱いでつまずく
外国籍の方は、在留カードや住民票の氏名の表記が長く、届出の記載とずれることがあります。
日本年金機構は、フリガナ氏名だけが一致しない場合の取扱いを2026年10月から改めています。
詳しくは日本年金機構の『日本国籍を有しない方のフリガナ氏名の取り扱いについて』をご確認ください。
もう一つは、母国に住む家族の扶養です。
健康保険の被扶養者には、原則として日本国内に住所があることが求められます。
「母国の家族を扶養に入れたい」という相談には、要件を確認したうえで丁寧に説明しましょう。
【画像挿入推奨:在留カードと届出書類を照らし合わせるイメージ画像】
入社から退職までの手続きの流れと実務のポイント
特定技能外国人の社会保険の手続きは、入社時と退職時に集中します。
流れを一覧にしておくと、担当者が替わっても漏れを防げます。
入社時と退職時に行う主な手続き
入社時に行う主な手続きは、次のとおりです。
- 健康保険・厚生年金保険の資格取得届を、入社から5日以内に提出する
- 雇用保険の資格取得届を、入社した月の翌月10日までに提出する
- 外国人雇用状況の届出を、雇用保険の資格取得届の備考欄で行う
- 保険料が給与から控除されることを、本人が分かる言葉で説明する
退職するときは、次の点を確認します。
- 健康保険・厚生年金保険の資格喪失届と、雇用保険の資格喪失届を提出する
- 帰国する方には、脱退一時金の制度があることを案内する
- 入管への随時届出が必要になるため、提出の段取りを確認する
脱退一時金の要件は、日本年金機構のサイトで最新の内容を確かめてから案内しましょう。
もう一つ大切なのが、保険料の控除についての説明です。
特定技能の雇用条件書には、給与から控除する費用の内容を記載します。
入社前の段階で、社会保険料や雇用保険料が控除されることと、おおよその金額を伝えておきましょう。
初めての給与明細を見て「思ったより少ない」と不安になるケースを防げます。
入管への届出は、行政書士にご依頼ください
雇用契約の終了などがあると、受入れ機関は入管への随時届出が必要です。
また、年1回の定期届出もあります。
入管に提出する届出書類の作成を外部に任せる場合は、行政書士にご依頼ください。
在留期間の更新許可申請も同様で、申請書類の作成と申請の取次ぎは行政書士の業務分野です。
会社側では、社会保険の加入記録や保険料の納付状況を、すぐ出せるように整えておくことが大切です。
受入れ後の労務管理全般は、外国人雇用の労務管理サービスのページもご参照ください。
社会保険労務士の視点:自社で対応できる範囲と相談したい場面
特定技能外国人の社会保険は、手続きの型を押さえれば自社でも対応できます。
一方で、判断が分かれる場面では、早めに専門家へ相談するほうが安心です。
| 自社で対応しやすいこと | 専門家に相談したほうがよい場面 |
|---|---|
| 入社時・退職時の定型的な届出 | 未加入の期間が見つかったとき |
| 給与からの保険料控除 | 母国の家族の扶養について相談されたとき |
| 本人への制度の説明 | 社会保障協定の対象国から来た方を雇うとき |
特に未加入の期間が見つかった場合は、さかのぼる期間や本人負担分の扱いなど、判断することが多くなります。
対応を先延ばしにせず、状況を整理したうえで早めにご相談いただくのがおすすめです。
役割分担は、次のように整理すると分かりやすいでしょう。
- 社労士の業務分野:社会保険・労働保険の手続き、就業規則や賃金の整備、外国人雇用状況の届出
- 行政書士の業務分野:在留資格の申請書類の作成と申請の取次ぎ、入管への届出書類の作成
外国人雇用の全体の流れは、こちらの記事もご参照ください([関連記事URL:特定技能の受入れの流れ])。

よくある質問(FAQ)
Q1. 短期間で帰国する予定でも、社会保険に加入させる必要がありますか?
A. 加入要件を満たす場合は、帰国の予定にかかわらず加入が必要です。
特定技能は原則フルタイムの直接雇用のため、法人であれば健康保険と厚生年金保険の対象となるのが通常です。
帰国時には、厚生年金保険の加入期間などに応じて脱退一時金を請求できる場合があります。
本人には、入社時と帰国前の2回、制度を説明しておくと安心です。
Q2. 社会保障協定がある国の方は、日本の年金に加入しなくてよいのですか?
A. 日本で採用した方は、原則として日本の年金制度に加入します。
社会保障協定で加入が免除されるのは、主に母国の会社から一時的に派遣される場合です。
特定技能の方は日本の会社と直接雇用契約を結ぶため、通常は日本の制度に加入します。
協定を結んでいる国や、年金の加入期間を通算できるかどうかは、国ごとに異なります。
個別の判断は、専門家へご相談ください。
Q3. 社会保険の手続きと入管への手続きは、誰に依頼すればよいですか?
A. 社会保険の手続きは社労士、入管への申請書類や届出書類の作成は行政書士にご依頼ください。
社労士は、資格取得届などの手続きのほか、就業規則や賃金の整備、受入れ後の労務管理を支援できます。
在留期間の更新許可申請や定期届出などの書類作成は、行政書士の業務分野です。
依頼先を分けて整理しておくと、手続きの漏れを防ぎやすくなります。
まとめ:特定技能外国人の社会保険は、加入と説明の両方が大切
特定技能外国人の社会保険は、国籍にかかわらず日本人と同じルールで加入するのが原則です。
受入れ機関としては、保険料の納付状況も確認されるため、手続きを確実に行うことが欠かせません。
ポイントは、入社時と退職時の手続きの流れを決めておくことです。
あわせて、保険料の控除や脱退一時金を本人が分かる言葉で説明しましょう。
入管への届出書類の作成は行政書士に、社会保険と労務管理は社労士に、と役割を分けると安心です。
特定技能外国人の社会保険や受入れ後の労務管理の支援内容は、サービスのページでご覧いただけます。
無料相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。
なお、在留資格の申請や入管への届出書類の作成は、行政書士にご依頼ください。
【免責事項】
本記事は、2026年11月時点の法令および公的機関の公表情報にもとづき、一般的な情報の提供を目的として作成しています。
法改正や通達の変更などにより、内容が最新の取扱いと異なる場合があります。
個別の事案への当てはめは、会社の状況によって結論が変わります。実際の対応にあたっては、専門家へご相談ください。
本記事の情報を利用した結果について、当法人は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
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