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フレックス勤務をKING OF TIMEで管理|IT企業の実務
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フレックス勤務をKING OF TIMEで管理|IT企業の実務

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2026.10.14

エンジニアに合わせてフレックス勤務を導入したものの、勤怠の集計が追いつかないと感じていませんか。お気持ち、よく分かります。

フレックス勤務は自由度が高い分、清算期間や総枠の考え方を誤ると、残業代の計算がずれやすくなります。

この記事では、KING OF TIMEでフレックス勤務を管理する考え方と、設定前に決めておくルールを整理します。


なぜ今、IT企業のフレックス勤務に勤怠管理の見直しが必要なのか

IT企業では、フレックス勤務とリモートワークを組み合わせる会社も少なくありません。働く場所と時間の両方が自由になるため、会社から労働時間が見えにくくなっています。

リモートと組み合わさり、働いた時間が見えにくい

出社していれば遅くまで残る人に気づけますが、在宅のエンジニアが深夜にコードを書いていても周りからは分かりません。

よくある状況として、次のようなものがあります。

  • 障害対応で深夜に作業したのに、打刻をしていない
  • 中抜けしたあと、夜に作業を再開した時間が記録されていない
  • 月末に自己申告でまとめて入力している

こうした状態が続くと、実際の労働時間と記録が合わなくなります。結果として、割増賃金の未払いや長時間労働の見落としにつながるおそれがあります。

労働時間の把握は、制度にかかわらず会社の役割

フレックスタイム制は、始業と終業の時刻を従業員が決める制度です。ただし、会社が労働時間を把握しなくてよいわけではありません。

厚生労働省のガイドラインでは、始業と終業の時刻を客観的な方法で確認し、記録することを原則としています。たとえば、タイムカードやパソコンの使用時間の記録などです。詳しくは厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」をご確認ください。


フレックスタイム制の管理で起きやすい落とし穴

フレックスタイム制でつまずきやすいのは、残業の数え方と、日々の勤務ルールのあいまいさです。どちらも勤怠システムの設定に直結します。

清算期間と総枠の誤解で、残業代がずれる

フレックスタイム制では、清算期間の法定労働時間の総枠を超えた時間が時間外労働になります。1日8時間を超えたかどうかでは判断しません。総枠は、40時間×清算期間の暦日数÷7で求めます。

たとえば清算期間が1か月の場合、総枠は暦日数30日の月で171.4時間、31日の月で177.1時間です。

ところが、日ごとに8時間を超えた分を残業として集計してしまう例が見られます。また、総枠を超えた時間を翌月に回して相殺する扱いも、賃金の支払いの面で問題となるおそれがあります。

労働時間が不足した場合は、一定の範囲で翌月に繰り越す扱いが認められています。ただし、繰り越した結果が翌月の総枠を超えないようにする必要があります。

コアタイム、中抜け、深夜の扱いがあいまい

コアタイムを設けるかどうかは任意で、設ける場合は労使協定で開始と終了の時刻を定めます。

一方で、フレックスタイム制でも次のルールは通常どおり適用されます。

  • 労働時間に応じた休憩の付与
  • 午後10時から午前5時までの深夜労働の割増賃金
  • 法定休日に働いた場合の休日労働の割増賃金

中抜けを休憩として扱うのか、どう打刻するのかを決めていないと、記録がばらつきます。勤怠システムに入れる前に、社内のルールとして言葉にしておくことが大切です。


KING OF TIMEでフレックス勤務を管理するポイント

KING OF TIMEの設定は、労使協定と就業規則の内容を写し取る作業です。先に制度の中身を固め、そのあとで設定に落とし込む順番が基本です。

設定の前に、労使協定と就業規則を固める

フレックスタイム制を導入するには、就業規則で始業と終業の時刻を従業員に委ねることを定めます。あわせて、労使協定で次の事項を定めます。

労使協定で定める事項設定とのつながり
対象となる労働者の範囲どの従業員をフレックスの区分にするか
清算期間1か月か、1か月を超える期間か
清算期間における総労働時間所定時間として入れる値
標準となる1日の労働時間有給休暇を取ったときの計算
コアタイム、フレキシブルタイム(任意)遅刻や早退の判定の基準

清算期間を1か月を超える期間にする場合は、労使協定を労働基準監督署に届け出る必要があります。また、1か月ごとに週平均50時間を超えた時間も時間外労働として扱います。

制度の要件は、厚生労働省の「フレックスタイム制:多様で柔軟な働き方」でも確認できます。

【画像挿入推奨:労使協定と就業規則を確認する人事担当者のイメージ画像】

KING OF TIMEで押さえたい設定の考え方

KING OF TIMEの公式ヘルプでは、雇用区分ごとにフレックスタイムの設定を行う方法が案内されています。1か月単位のフレックスには推奨設定があり、独自のルールがある場合は手動で設定します。

画面の操作よりも、次の点を自社で決めておくことが重要です。

  • 基準時間と所定時間:総枠を暦日数から計算するか、月ごとに入力するか
  • 労働時間の過不足の扱い:当月で清算するか、不足分を翌月に繰り越すか
  • コアタイム:遅刻や早退をどう判定するか
  • 月60時間を超える時間外労働:割増率をどう集計するか

ヘルプでは、過不足の扱いを設定しないと集計が正しくならないおそれがあると説明されています。また、利用する機能によっては、オプションの設定を有効にする必要があります。

清算期間の長さは、自社の働き方に合わせて選びます。比較の目安は次のとおりです。

比較の観点清算期間1か月清算期間1か月超(3か月まで)
労働基準監督署への届出不要必要
繁閑に合わせた調整月の中で調整月をまたいで調整できる
時間外労働の確認清算期間の総枠総枠に加え、月ごとの週平均50時間
集計と設定の手間比較的少ない増えやすい

リリース前後で忙しさが大きく変わる開発チームでは、1か月を超える清算期間が合う場合もあります。ただし、管理の手間とミスの起こりやすさも増えるため、慎重に判断しましょう。


専門家である社労士の視点

フレックス勤務の管理でいちばん多いつまずきは、制度と設定がずれたまま運用が続くことです。設定が誤っていると、毎月の給与計算に影響が積み重なります。

ここで、よくある状況をもとにしたモデルケースを紹介します。従業員30名のIT企業で、フレックスタイム制を始めて半年後に残業代の計算の誤りが見つかりました。原因は、勤怠システムで日ごとの8時間超を残業として集計していたことでした。

このような事態を防ぐため、自社で対応できる範囲と、専門家に相談したほうがよい場面を分けて考えましょう。

自社で対応できる範囲

  • 推奨設定をもとにした1か月単位のフレックスの設定
  • 打刻や中抜けのルールの社内周知
  • 毎月の集計結果と給与明細の突き合わせ

専門家に相談したほうがよい場面

  • 清算期間を1か月を超える期間にしたい
  • 固定残業代や裁量労働制など、ほかの制度と組み合わせている
  • 就業規則や労使協定がフレックスタイム制に対応しているか分からない
  • すでに集計の誤りが見つかっている

裁量労働制と比べて迷う場合は、「IT企業で“裁量労働制”を検討すべきタイミング」の記事もご覧ください。

導入全体の注意点は、「KING OF TIME導入で失敗しない!社労士が教える7つのチェックポイント」をご覧ください。

当法人の労働時間制度のコンサルティングのページでは、制度設計から勤怠の運用までの支援内容をご紹介しています。


よくある質問(FAQ)

フレックス勤務でも36協定は必要ですか

はい、清算期間の総枠を超えて働かせる場合は36協定が必要です。フレックスタイム制では、1日の時間外労働の限度を定める必要はありません。1か月と1年の限度を定めて届け出ます。KING OF TIMEで集計した時間外労働が、協定の範囲に収まっているかを毎月確認しましょう。上限の管理方法は、会社の協定の内容によって変わります。

労働時間が足りない月は欠勤控除になりますか

必ずしも欠勤控除になるわけではなく、不足分を翌月に繰り越すか、当月の賃金から控除するかを決めておく必要があります。繰り越す場合は、翌月の総枠の範囲内でなければなりません。どちらの扱いにするかは、就業規則や労使協定で定め、KING OF TIMEの過不足の設定もそれに合わせます。扱いが決まっていない場合は、導入前に専門家へご相談ください。

エンジニアだけをフレックスタイム制の対象にできますか

はい、対象となる労働者の範囲は労使協定で定められるため、職種や部署を限ることもできます。その場合、KING OF TIMEでは対象者とそれ以外の従業員で雇用区分を分けて設定するのが一般的です。対象の線引きがあいまいだと、異動のときに設定の切り替えもれが起きやすくなります。対象の決め方と運用の手順をあわせて整理しておきましょう。


まとめ

フレックス勤務をKING OF TIMEで管理するときは、設定より先に制度の中身を固めることが出発点です。清算期間、総枠、過不足の扱い、コアタイムを労使協定と就業規則で明確にし、その内容を設定に写し取りましょう。

フレックスタイム制は、エンジニアが力を発揮しやすい働き方です。だからこそ、記録と集計の正しさを支える仕組みを整えておくことが、従業員と会社の双方を守ることにつながります。

設定のずれが不安な場合は、労働時間制度のコンサルティングで支援内容をご確認ください。導入前の相談や初期設定の支援、就業規則との整合の点検、導入後の設定の見直しまでご相談いただけます。まずは無料相談で、自社に合う進め方を一緒に考えましょう。

【免責事項】
本記事は、2026年10月時点の法令および公的機関の公表情報にもとづき、一般的な情報の提供を目的として作成しています。
法改正や通達の変更などにより、内容が最新の取扱いと異なる場合があります。
個別の事案への当てはめは、会社の状況によって結論が変わります。実際の対応にあたっては、専門家へご相談ください。
本記事の情報を利用した結果について、当法人は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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