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コアタイムの設定に迷ったら|フレックスタイム制の判断の目安
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コアタイムの設定に迷ったら|フレックスタイム制の判断の目安

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2026.10.27

フレックスタイム制の導入で、コアタイムの設定をどうするか迷いますよね。
自由度と会議の調整の両立に悩む方は少なくありません。

コアタイムは任意のため、判断の軸がないまま決めると導入後にズレが生まれがちです。

この記事では、コアタイムの設定を比較検討するときの判断の目安を、業務の性質や管理のしやすさの観点から整理します。


なぜ今、コアタイムの設定を見直す会社が増えているのか

フレックスタイム制は、清算期間の総労働時間の範囲で、社員が始業と終業の時刻を決める制度です。
働き方の選択肢が広がるなかで、コアタイムの設定を改めて考え直す会社が増えています。

働き方の多様化で「自由度」の期待が高まっている

採用の場面では、フレックスタイム制の有無だけでなく、その中身まで見られるようになっています。
コアタイムが長いと、制度はあっても実際には自由に働けないと受け止められることがあります。

また、2025年10月施行の育児・介護休業法の改正で、柔軟な働き方の措置が求められています。
対象は、3歳から小学校就学前の子を養育する社員です。

会社が選ぶ措置の一つに、フレックスタイム制などの始業時刻等の変更があります。
子育て中の社員が使いやすい形かどうかも、検討の観点に加わっています。

コアタイムは任意だからこそ、会社の判断が問われる

厚生労働省の解説では、コアタイムとフレキシブルタイムは、どちらも設けるかどうかを任意としています。
設ける場合は、開始と終了の時刻を労使協定で定めます。

つまり、正解が一つに決まっているわけではありません。
自社の業務や組織に合うかどうかで決める必要があり、そこに迷いが生まれます。
制度の全体像は、厚生労働省の『フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き』をご確認ください。


コアタイムの設定で起きやすい落とし穴

ここでは、コアタイムを決めるときに見落とされやすい点を2つ取り上げます。
どちらも、導入後にトラブルや不満の原因になりやすいものです。

コアタイムが長すぎると、制度の趣旨から外れるおそれ

コアタイムが1日の労働時間とほぼ同じ長さになると、社員が時刻を決める余地がほとんどなくなります。
厚生労働省の解説でも、このような場合はフレックスタイム制とはいえなくなるおそれがあると示されています。

フレキシブルタイムが極端に短い場合も同じです。
「念のため長めに」と考えてコアタイムの設定を広げると、制度そのものが成り立たなくなる場合があります。

コアタイムをなくしても、管理の手間はなくならない

コアタイムを設けない形は、自由度が高い一方で、次のような課題が出やすくなります。

  • 会議や打合せの時間がそろわず、調整に時間がかかる
  • 社員同士が顔を合わせる時間が減り、相談しにくくなる
  • 深夜や早朝の勤務が増え、健康面の配慮が必要になる
  • 労働時間が月ごとに偏り、清算期間の終わりに不足や超過が出る

フレックスタイム制でも、会社は社員の各日の労働時間を把握する必要があります。
コアタイムがないことは、管理が不要になることではありません。


判断の目安と実務対応のポイント

ここからは、比較検討のための具体的な目安を整理します。
自社の状況を当てはめながら読み進めてください。

業務の性質から考える3つのパターン

コアタイムの設定は、大きく分けると次の3つのパターンがあります。

パターン向いている会社・部署注意したい点
コアタイムなし個人で完結する業務が多い、成果で評価しやすい連絡や会議のルールを別に決める
短めのコアタイム(2〜3時間程度)チームでの連携と自由度の両方を求めたい会議をコアタイムに寄せる運用を徹底する
長めのコアタイム顧客対応の時間帯が決まっている制度の趣旨から外れない長さか確認する

判断に迷う場合は、次の問いに答えてみると整理しやすくなります。

  • 全員がそろう必要がある会議は、週に何回あるか
  • 顧客や取引先からの連絡が集中する時間帯はあるか
  • 部署ごとに業務の性質が大きく違わないか
  • 上司が部下の勤務状況を把握する方法は決まっているか

なお、コアタイムは日によって設けたり、時間帯を変えたりすることもできます。
たとえば「会議の多い曜日だけ設ける」という形も選択肢になります。

自社で決められる範囲と、専門家に相談したい場面

コアタイムの時間帯や、会議の時間のルールづくりは、自社で話し合って決められる部分です。
現場の管理職と社員の声を聞きながら、試行期間を設けるのもよい方法です。

一方で、次のような場面では、専門家に相談したほうが安心です。

  • 清算期間を1か月より長くする場合(労使協定の届出が必要になります)
  • 部署ごとに異なるコアタイムの設定を、就業規則と労使協定にどう書き分けるか迷う場合
  • コアタイム中の遅刻や早退を、どう扱うかを決めたい場合
  • 時間外労働の計算方法や、勤怠システムの設定が制度と合っているか不安な場合

フレックスタイム制では、時間外労働を1日単位ではなく清算期間単位で判断します。
規程と計算の仕組みがそろっていないと、割増賃金の計算に影響するおそれがあります。
労働時間制度の設計については、労働時間制度のコンサルティングのページで支援内容をご紹介しています。


専門家である社労士の視点

社労士の立場からお伝えしたいのは、コアタイムは「時間の長さ」より「目的」で決めるべきだという点です。
連携のための時間なのか、顧客対応のための時間なのかで、適切な長さは変わります。

よくある状況をもとにしたモデルケースでご紹介します。
社員30名ほどの会社で、10時から16時のコアタイムを設けてフレックスタイム制を導入しました。
しかし、実際の働き方はほとんど変わらず、社員から「名ばかりの制度だ」という声が上がりました。

そこで、会議を11時から15時に集める運用に改め、コアタイムもその時間帯に短くしました。
あわせて、コアタイム中の遅刻や中抜けの扱いを就業規則に明記しました。
このように、運用ルールとセットで見直すことが、制度を定着させる近道です。

コアタイム中の遅刻を、賃金の控除で扱えるかどうかは注意が必要です。
フレックスタイム制では、清算期間の総労働時間を満たしていれば、遅刻を理由に賃金を減らせない場合があります。
懲戒や評価でどう扱うかも含めて、規程の書き方は専門家へご相談ください。


よくある質問(FAQ)

コアタイムなしのフレックスタイム制は、法律上問題ありませんか?

問題ありません。
厚生労働省の解説でも、コアタイムは任意とされており、設けない形も認められています。

ただし、コアタイムを設けない場合でも、所定休日はあらかじめ定めておく必要があります。
また、会議や連絡のルールを別に決めておかないと、業務の調整に時間がかかることがあります。
自由度と業務の円滑さのバランスを考えて検討してください。

コアタイムを部署ごとに変えることはできますか?

できます。
労使協定で対象となる社員の範囲を定め、部署ごとにコアタイムの時間帯を定める方法があります。
顧客対応の多い部署は長めに、企画や開発の部署は短めにするといった形です。

ただし、部署間の不公平感が生まれないよう、時間帯を変える理由を社員に説明しておくことが大切です。
就業規則と労使協定の書き分け方は、専門家へ相談すると安心です。

コアタイムを途中で変更するときは、何が必要ですか?

労使協定の見直しが必要です。
コアタイムの開始と終了の時刻は労使協定で定める事項のため、変更する場合は改めて協定を結び直します。

就業規則にコアタイムを記載している場合は、就業規則の変更も必要です(常時10人以上の事業場では届出も必要です)。
清算期間が1か月を超える場合は、変更後の協定の届出も忘れないようにしましょう。
変更前には、社員への周知期間も十分に確保してください。


まとめ

コアタイムの設定に、すべての会社に共通する正解はありません。
大切なのは、業務の性質と制度の目的に照らして、自社に合う形を選ぶことです。

この記事のポイントを振り返ります。

  • コアタイムは任意で、設けない形や日によって変える形も選べる
  • 長すぎるコアタイムは、フレックスタイム制とはいえなくなるおそれがある
  • コアタイムをなくしても、労働時間の把握は会社の責任として残る
  • 運用ルールや就業規則、勤怠の設定とセットで考えることが大切

コアタイムの設定を見直すことで、フレックスタイム制は社員にとっても会社にとっても使いやすい制度になります。

コアタイムの長さや運用ルールを決めたい場合は、労働時間制度のコンサルティングのページで支援内容をご確認ください。
無料相談では、業務の状況をうかがいながら、自社に合うフレックスタイム制の形を一緒に検討できます。

【免責事項】
本記事は、2026年10月時点の法令および公的機関の公表情報にもとづき、一般的な情報の提供を目的として作成しています。
法改正や通達の変更などにより、内容が最新の取扱いと異なる場合があります。
個別の事案への当てはめは、会社の状況によって結論が変わります。実際の対応にあたっては、専門家へご相談ください。
本記事の情報を利用した結果について、当法人は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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