育成就労制度スタート目前!技能実習からスムーズに移行するための「経過措置」を社労士が徹底解説
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2026.07.19
令和9年4月1日から、現行の技能実習制度に代わり、新たに「育成就労制度」が施行されることが決定しています。外国人材を雇用されている企業の皆様にとって、最も気になるのは「今いる実習生はどうなるのか?」「新制度が始まったらすぐに切り替えが必要なのか?」という点ではないでしょうか。
今回は、実務に直結する「技能実習の経過措置」について、出入国在留管理庁および厚生労働省の資料に基づき、社労士の視点から分かりやすく解説いたします。
1.施行後も一定期間は「技能実習」のまま継続可能です
まず、最大のポイントとなる結論からお伝えします。
育成就労制度が施行される令和9年4月1日以降も、すでに認定を受けている技能実習計画に基づき活動している方は、引き続き「技能実習」の在留資格のまま実習を継続することができます。
つまり、新制度が始まった瞬間に全員が「育成就労」に切り替わるわけではありません。現在進行中の実習計画については、その計画が終了するまで(または所定の段階まで)は旧制度のルールが適用される経過措置が設けられています。
ただし、「施行日以降に育成就労へ在留資格を変更することはできない」といった重要な制限もあるため、計画的な管理が不可欠です。
2.円滑な制度移行と実習生のキャリア保護のため
なぜこのような経過措置が設けられているのでしょうか。その理由は、大きく分けて2つあります。
第一に、「現場の混乱回避」**です。日本国内には現在、数十万人規模の技能実習生が在留しています。これら全員を一斉に新制度へ移行させることは、行政・企業双方の事務負担を著しく増大させ、適正な運用を妨げる恐れがあります。
第二に、「実習生のキャリアパスの維持」です。実習生は「技能実習1号・2号・3号」というステップを経て技能を習得する計画で来日しています。制度が変わったからといって、その途中で計画が打ち切られることは、本人にとっても受け入れ企業にとっても大きな損失です。
そのため、施行日(令和9年4月1日)を境に「ここまでは旧制度の枠組みを維持する」という境界線が明確に引かれているのです。具体的には、施行日以降の新規の技能実習計画の認定申請は一切行えなくなり、すべての新規受け入れは「育成就労」へと一本化されます。
3.ケース別で見る「経過措置」の適用パターン
それでは、実際の現場で起こりうる具体的なケースに沿って、どのような経過措置が適用されるのかを見ていきましょう。
ケースA:施行日(令和9年4月1日)時点で日本にいる場合
令和9年4月1日より前に認定を受けた計画に基づき、すでに実習を行っている方は、施行日以降も引き続き「技能実習」の在留資格のまま活動を続けられます。在留期間の更新や、技能実習1号から2号、2号から3号への在留資格変更も、一定の条件(後述)を満たせば可能です。
ケースB:施行日の前後に新規入国する場合
施行日より前に技能実習計画の認定と在留資格認定証明書の交付を受けた方は、令和9年6月30日までに入国する必要があります。 また、施行日前に申請した計画が施行日以降に認定される場合もありますが、この場合も実習開始日が令和9年6月30日以前である必要があり、原則として同日までに入国しなければなりません。この期限を過ぎると「技能実習」での入国はできなくなるため、注意が必要です。
ケースC:技能実習2号から3号へ移行したい場合
ここが最も注意すべきポイントです。施行日以降に技能実習3号へ進むためには、「施行日(令和9年4月1日)時点において、技能実習2号を1年以上行っていること」が必須条件となります。 もし施行日に2号の実習期間が1年に満たない場合は、2号修了後に3号へ進むことはできず、その時点で技能実習の枠組みは終了となります。
ケースD:病気や怪我で中断・再開する場合
実習生が病気や怪我等で一時帰国し、実習を中断した後に再開する場合も、変更認定を受けることで、変更後の計画に基づき実習を継続できます。ただし、この再開も「技能実習」の枠組み内で行われるものであり、「技能実習生が育成就労へ在留資格を変更すること」は認められていません。
ケースE:一度「技能実習」以外の資格に変えた場合
例えば、技能実習から「特定技能」など他の資格に変更した後に、再び「技能実習」に戻ることはできません。一度でも他の資格へ移行すると、経過措置の対象外となるため、慎重な判断が求められます。
4.令和12年(2030年)に向けたスケジュール管理が成功の鍵
以上の内容をまとめると、育成就労制度の施行後も「今いる実習生は、原則としてそのままの資格で計画を全うできるが、3号への移行などには厳しい時期の制約がある」ということになります。
経過措置の全体像として、施行から3年目途(令和12年3月31日)には、技能実習3号を含めたすべての旧制度の枠組みがほぼ終了し、完全に育成就労制度のみへと移行することが想定されています。
企業側の担当者様が今すべきことは、以下の3点です。
- 自社の実習生の現時点でのステータスと、施行日(令和9年4月1日)時点での実習期間を把握する。
- 特に「2号から3号への移行」を予定している場合、1年以上の実務要件を満たせるかスケジュールを確認する。
- 新規の受け入れについては、令和9年4月以降はすべて「育成就労」になる前提で、採用コストや教育体制の再検討を始める。
育成就労制度は、従来の技能実習よりも「人材確保・育成」に重きを置いた制度です。この経過措置の期間を、単なる「猶予期間」として捉えるのではなく、新しい制度に対応した組織作りを進めるための「準備期間」として活用しましょう。
制度の詳細は多岐にわたり、個別のケースによって判断が分かれることも少なくありません。もし移行スケジュールや実務対応で不安な点がございましたら、外国人雇用の専門家である社会保険労務士までお気軽にご相談ください。貴社の円滑な制度移行を全力でサポートいたします。

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