「副業OKにしたら社会保険はどうなる? IT企業人事が知らないと困る二重加入問題」
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2026.04.30
IT業界を中心に、エンジニアのスキル向上や離職防止を目的とした副業解禁が進んでいます。しかし、いざ制度を整えてみると、人事担当者が直面するのが副業と社会保険にまつわる複雑なルールです。特に、複数の会社で加入要件を満たす二重加入の問題は、実務上の大きなハードルとなりがちです。
優秀な人材が自社以外でも活躍するのは喜ばしいことですが、給与計算や保険料の按分といった実務が加わると、現場の負担は一気に増してしまいます。経営者の方にとっても、自社が負担すべき保険料が他社の給与額によって変動する仕組みは、直感的に分かりにくい部分があるかもしれません。
1.副業で社会保険の二重加入が発生する条件とは
まず整理しておきたいのが、どのような場合に二重加入となるのかという点です。一般的に、副業先でも週の所定労働時間や月の給与額が一定の基準を超え、社会保険(健康保険や厚生年金保険)の加入対象となった場合に発生します。
このとき、従業員はどちらか一方の年金事務所または健康保険組合を選択し、届け出を行う必要があります。これを二重加入の状態と呼びますが、実務上は「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二重加入届」という書類を提出するのが一般的です。
この手続きが行われると、それぞれの会社で支払われる給与を合算した額に基づいて全体の保険料が決まります。その合算された保険料を、それぞれの会社が支払っている給与の比率に応じて按分し、各社が納付する仕組みとなっています。
2.実務担当者が押さえておきたい事務手続きの流れ
担当者として最も注意すべきは、従業員からの報告漏れです。もし従業員が副業先で社会保険に入ったことを隠していたり、手続きを失念していたりすると、後から遡って保険料の精算が発生し、給与計算の修正など膨大な事務作業を招く恐れがあります。
また、算定基礎届の時期には、他社の報酬額も含めた計算が必要になるため、自社だけで完結できないもどかしさを感じることもあるでしょう。副業を許可する際は、社会保険の加入状況を定期的に申告してもらう運用ルールを定めておくことが、トラブルを未然に防ぐ鍵となります。
3.専門家である社労士から見た運用のポイント
私たち社会保険労務士の視点からお伝えしたいのは、副業制度は単なる許可制にするだけでなく、社会保険料の負担というコスト面も含めたコミュニケーションが不可欠であるということです。二重加入になると、会社負担分だけでなく、従業員本人の手取り額にも大きな影響が出ます。
企業としては、副業を認めることで従業員の満足度を高める一方で、法的な手続きを正確に行う責任があります。IT企業のように多様な働き方が先行する業界では、こうしたイレギュラーな手続きが日常化しやすいため、あらかじめフローをマニュアル化しておくことをお勧めします。
(まとめ)
副業解禁は、企業の魅力を高める素晴らしい取り組みです。しかし、社会保険の二重加入といった実務的な課題を疎かにすると、思わぬ事務負担やコスト増を招く可能性があります。経営者と人事担当者が連携し、透明性の高い申告制度を整えることで、安心して副業を推進できる環境を作っていきましょう。
副業に伴う社会保険手続きの代行や制度設計については、当法人のIT企業向けサービスをご覧ください。
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