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就業規則のひな型をそのまま使う前に確認したいこと
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就業規則のひな型をそのまま使う前に確認したいこと

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就業規則作成

2026.10.19

就業規則を整えたいけれど、ゼロから作るのは大変ですよね。
手元の就業規則のひな型を使えば早いのでは、と考えるお気持ち、よく分かります。

ただ、ひな型の条文が自社の働き方と合わないと、会社の負担が増えたりトラブルの火種になったりすることがあります。

この記事では、ひな型をそのまま使う前に確認したい点と、自社で整えるか専門家に依頼するかの判断の目安をお伝えします。


なぜ今、就業規則のひな型をそのまま使うことに注意が必要なのか

結論から言うと、ひな型は「出発点」であって、完成品ではないからです。
働き方が多様になり、法改正も続くなかで、ひな型と実態のずれは広がりやすくなっています。

ひな型は一般的な会社を前提に作られている

厚生労働省は、規定例と解説をまとめた「モデル就業規則」を公表しており、最新版は令和7年12月の改訂版です。

ただし、ひな型は特定の会社を前提にしたものではありません。
厚生労働省も、各事業場の実情に応じた就業規則を作成・届出するよう案内しています。
詳しくは厚生労働省の「モデル就業規則について」をご確認ください。

法改正のたびに必要な規定が変わる

ここ数年だけでも、育児・介護休業法の改正などが段階的に施行されています。
インターネット上で見つけた古いひな型を使うと、改正の内容が反映されていないおそれがあります。

就業規則のひな型を使うときは、まずいつ時点の版なのかを確かめることが大切です。


ひな型をそのまま使ったときに起きやすい落とし穴

ひな型を使うときに特に気を付けたいのは、「実態と合わない条文」と「手厚すぎる条文」の2つです。

実態と合わない条文がそのまま残る

よくあるのが、労働時間や休日の規定が実際の働き方と違うケースです。
たとえば、次のような食い違いが起こりがちです。

  • 実際はシフト制なのに、全員が同じ始業・終業時刻になっている
  • 変形労働時間制を使っているのに、その定めがない
  • 賃金の締め日や支払日が、実際の給与計算と違う
  • パートタイマーにも正社員と同じ規定が適用される書き方になっている

就業規則は、周知されていて内容が合理的であれば、労働契約の内容になると考えられています。
書いてあることは会社のルールとして扱われると意識しておきましょう。

法定より手厚い規定が会社の義務になる

ひな型には、特別休暇、休職制度、退職金など、法律で義務付けられていない制度の規定例も含まれています。

ひな型によくある規定法律上の位置付け確認したい点
慶弔などの特別休暇会社が任意で定める日数や有給・無給の扱いを自社で決めたか
私傷病による休職会社が任意で定める休職期間の長さと復職の判断方法
退職金定める場合は記載が必要制度がないのに条文が残っていないか
懲戒の種類と事由定める場合は記載が必要自社で起こりうる行為を網羅しているか

たとえば、休職期間を長く定めると、その期間は雇用を続ける前提で対応することになります。
一度定めた条件をあとから不利益に変えるのは簡単ではありません。
最初の段階で、自社が負担できる内容かを確かめておくことが重要です。


ひな型を使う前の実務対応のポイント

対応の基本は、「自社の実態を洗い出してから条文に落とし込む」という順番を守ることです。

自社の実態を洗い出してから条文を選ぶ

まずは、条文を読む前に自社の働き方を整理しましょう。
次の項目を一覧にしておくと、ひな型との違いが見えやすくなります。

  • 雇用形態ごとの人数と、それぞれの所定労働時間
  • 始業・終業時刻、休憩、休日の実際の運用
  • 残業の申請方法と、割増賃金の計算方法
  • テレワーク、副業・兼業、試用期間の取扱い

そのうえで、就業規則のひな型の条文を一つずつ照らし合わせます。
合わない条文は書き換え、不要な条文は削り、足りない規定は追加します。

賃金規程や育児・介護休業規程などの別規程とも、内容がそろっているか確かめてください。

意見聴取・届出・周知までを一連の流れで進める

常時10人以上の労働者を使用する場合は、就業規則の作成と届出が義務です。
この人数は、会社全体ではなく事業場ごとに数えます。

作成や変更の際は、過半数労働組合または過半数代表者の意見を聴く必要があります。
意見書を添えて、所轄の労働基準監督署長に届け出ます。

詳しくは厚生労働省の「就業規則は必ず作成しなければならないのですか。」をご確認ください。
届け出たあとは、従業員がいつでも見られる状態にして周知することも欠かせません。


専門家である社労士の視点

ご相談を受けていると、就業規則のひな型を使うこと自体が問題になる例は多くありません。
問題になりやすいのは、実態との違いを確かめないまま運用を始めてしまうことです。

自社で対応できる範囲と、専門家に相談したほうがよい場面の目安は次のとおりです。

自社で対応しやすい範囲専門家に相談したほうがよい場面
最新版のひな型を入手する変形労働時間制や裁量労働制を使う
自社の働き方を一覧にする休職や懲戒の規定を自社向けに設計する
始業・終業時刻などを実態に合わせる既存の規則から条件を変更する
届出の書類をそろえる雇用形態ごとに規則を分けたい

ここでは、よくある状況をもとにしたモデルケースを紹介します。
従業員が15人に増えた会社が、ひな型をほぼそのまま届け出たとします。
あとから「特別休暇は有給」と書かれていることに気付き、運用との違いが問題になりました。

このように、費用を抑えたつもりが、あとの修正や従業員への説明に手間がかかることもあります。

進め方は、大きく分けて次の3つが考えられます。

  • ひな型をもとに自社で作成する:費用は抑えられますが、条文の確認に社内の時間がかかります
  • 自社で作った案を専門家に点検してもらう:費用と手間のバランスを取りやすい方法です
  • 専門家に作成から依頼する:実態の聞き取りから届出の準備まで任せられ、社内の負担を抑えられます

どの方法が合うかは、勤務形態の複雑さと、社内で確認に使える時間で判断するのがおすすめです。
特に、規則を作ったあとに変更する場合は、従業員にとって不利益な変更にあたらないかの検討も必要になります。
最初に作る段階で内容を固めておくほうが、結果として手間も費用も抑えやすくなります。
就業規則の作成や見直しで依頼できる範囲は、就業規則の作成・見直しサービスのページでご確認いただけます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 厚生労働省のひな型をそのまま届け出てもよいですか?

届出自体は可能ですが、そのまま使うのはおすすめできません。
モデル就業規則は、あくまで規定例と解説をまとめた参考資料です。
自社にない制度の条文が残っていると、それが会社のルールとして扱われるおそれがあります。
始業・終業時刻、休日、賃金、休職などを実態に合わせてから届け出ましょう。
判断に迷う条文がある場合は、専門家へご相談ください。

Q2. 従業員が10人未満でも就業規則は必要ですか?

作成と届出の義務はありませんが、作成しておくことをおすすめします。
就業規則がないと、服務規律や懲戒の根拠が不明確になりやすいためです。
従業員が増えてから慌てて整えるより、早めに基本のルールを決めるほうが運用しやすくなります。
就業規則のひな型を使う場合も、10人以上の会社と同じ視点で内容を確認しましょう。

Q3. ひな型で作るのと社労士に依頼するのは、どう選べばよいですか?

働き方の複雑さと、社内で確認に使える時間で選ぶのが目安です。
勤務形態が単純で、社内に労務の担当者がいる場合は、ひな型をもとに自社で作る方法も考えられます。
変形労働時間制、複数の雇用形態、休職制度の設計などがある場合は、依頼を検討するとよいでしょう。
ひな型で作った案を、専門家に点検してもらう方法もあります。


まとめ

就業規則のひな型は、ルールづくりの出発点として役立つ資料です。
ただし、そのまま使うと、実態と合わない条文や手厚すぎる条文が残るおそれがあります。

  • いつ時点の版なのかを確認する
  • 自社の働き方を洗い出してから条文を選ぶ
  • 法定より手厚い規定は、負担できる内容か確かめる
  • 意見聴取、届出、周知までを一連の流れで進める

就業規則のひな型を上手に使い、自社に合ったルールを整えていきましょう。


ひな型で作るか専門家に依頼するか迷ったときは、まず就業規則の作成・見直しサービスのページで支援内容をご確認ください。
無料相談では、ひな型で作った案の点検も含めて、自社に合う進め方をご相談いただけます。

【免責事項】
本記事は、2026年10月時点の法令および公的機関の公表情報にもとづき、一般的な情報の提供を目的として作成しています。
法改正や通達の変更などにより、内容が最新の取扱いと異なる場合があります。
個別の事案への当てはめは、会社の状況によって結論が変わります。実際の対応にあたっては、専門家へご相談ください。
本記事の情報を利用した結果について、当法人は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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